臨床検査室
理念・基本方針
『丁寧・迅速・正確な臨床検査』- チーム医療を強化し、情報の連携による最善の医療を目指します。
- 親切な対応、丁寧な説明を心がけます。
- 救急医療および診療前検査が可能な迅速検査体制を整えます。
- 各種精度管理を責務として、正確な検査情報を提供します。
- 進歩する臨床検査技術を習得し、患者ニーズに応えます。
特色
臨床検査室は、病気の診断や治療のための支援として各種検査を行っています。
- 国家資格を有する『臨床検査技師』が業務を行います。
- 検査結果を30分以内(一部40~60分)に報告する迅速検査体制を整えています。
- 日当直体制により、24時間365日緊急検査対応を可能にしています。
- チーム医療の一員として感染対策委員会や褥瘡対策委員会などの各種委員会や糖尿病教室等にも携わっています。
当院取得認定資格(2024.4現在)
- 細胞検査士
- 国際細胞検査士
- 超音波検査士(循環器、消化器)
- 認定輸血検査技師
- 認定一般検査技師
- 認定心電検査技師
- 広島県糖尿病療養指導士
- サービス接遇検定2級
業務内容
臨床検査は、患者さんから採取した血液、尿、便、喀痰などを検査する「検体検査」と、患者さんに接して検査を行う「生理検査」に大別されます。
検体検査
検体検査室
中央採血室
生化学・免疫
生化学検査は肝機能・脂質検査などをはじめ、腎臓、膵臓、心臓など様々な臓器の状態を分析しています。その他、糖尿病の検査(血糖、HbA1c)や血中の薬物濃度の測定なども行います。
免疫検査は、肝炎ウイルスの検査や甲状腺機能検査、腫瘍マーカー(悪性腫瘍等で増加する物質)の検査を行います。
血液
貧血の度合い、炎症の有無、白血病などの血液疾患を調べる血球数検査と、血の止まりやすさをみる凝固検査を行います。その他、血液型の検査も行います。
一般検査
尿、便、髄液、穿刺液(胸水、腹水など)の検査を行います。
尿検査は尿中に糖や蛋白、潜血が出ていないかを調べます。その他、尿中の赤血球、白血球、上皮細胞、細菌、結晶を顕微鏡で調べます。
便検査は潜血反応により消化管出血の有無を調べます。
髄液検査は脳脊髄液中の成分分析や細胞の数・種類を調べます。
細菌
感染症において、診断と治療の補助的検査として、主に次の検査を行います。
顕微鏡 | 痰や尿などを染色し、100~1000倍に拡大して観察します。原因微生物の推測や炎症度を迅速に検査します。 |
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培養・同定 | MRSA・結核菌・病原性大腸菌・緑膿菌・サルモネラ菌・赤痢菌・肺炎球菌・インフルエンザ菌・真菌など病原性原因微生物を検査します。 |
薬剤感受性 | 原因微生物に対してどんな薬(抗菌薬)が有効か、薬の効かなくなった細菌(耐性菌)はいないかなどを調べ、有効な薬を探す検査をします。 |
遺伝子
検体から遺伝子を抽出し、遺伝子レベルで病原性微生物の有無を検査します。
当院では1992年、遺伝子学的検査を導入しました。検体中に目的とする遺伝子配列が数個あれば検出できる感度の良い検査法です。増殖の遅い結核菌の有無が数時間で判明します。
輸血
交差適合試験、不規則抗体スクリーニング検査など輸血に関する検査を行います。その他、血液製剤の発注・出入庫・保存管理、自己血の採血補助・出入庫・保存管理も行います。
病理・細胞診
患者さんから採取した臓器・組織・細胞などを詳しく調べ、病気の診断を行います。
病理組織検査は内視鏡や手術で取り出した臓器や組織を、肉眼的・顕微鏡的に観察し、良性・悪性の診断や病気の進行度を決定します。
細胞診検査は尿や喀痰に含まれる細胞や、病変部から採取した細胞を顕微鏡で観察し悪性細胞を診断します。
採血
中央採血室では主に外来患者さんを対象に、2~3人の臨床検査技師が、検査に必要な採血を行っています。
採血業務支援システムの導入により、採血管等の準備が自動化されており、よりスムーズな採血が可能です。
生理検査
心臓超音波検査
心電図検査
12誘導心電図
両手両足、胸に電極をつけて行います。
不整脈、狭心症、心筋梗塞などの診断に役立ちます。
ホルター心電図
胸に小型の機械を付け、24時間の心電図を記録します。
安静時の心電図ではわからない不整脈などの診断に役立ちます。
運動負荷心電図(マスター、トレッドミル)
小階段の昇り降り、もしくはベルトコンベアーを歩いてもらい心電図の変化を観察します。
主に狭心症の診断に役立ちます。
血圧脈波伝播速度 PWV/ABI
両腕、両足首の血圧を測定し、血管の硬さ、詰まりを調べます。
動脈硬化の指標になります。
超音波検査
超音波で各臓器の状態を見ます。
心臓 | 動きや大きさを観察します。 |
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頚動脈、腎動脈 | 血管の詰まりや狭窄の有無を観察します。 |
腹部 | 肝臓・腎臓・胆嚢・膵臓・脾臓などを観察します。 |
肺機能検査
息を吸ったり吐いたりして、肺機能を調べます。
喘息や肺線維症などの診断に役立ちます。
術前の検査としても行われます。
睡眠時無呼吸検査(簡易検査・終夜睡眠ポリグラフィ―)
睡眠中の呼吸状態や血液中の酸素濃度を測定し、無呼吸の有無を調べます。
簡易検査は病院で説明後、機械を持ち帰り、自宅にて検査を行います。
簡易検査にて精密検査が必要と判定された場合は、一泊二日の入院にて検査を行います。
脳波
頭皮に電極をつけ、脳の電気的な働きを調べます。
てんかんの診断や薬物療法の効果判定を行います。
神経伝導速度検査
末梢神経を皮膚上で電気刺激し、末梢神経の伝達する速度を測定します。
神経障害の部位や程度を調べます。
精度管理
検査結果がより正確で信頼できるよう、日々検査精度の維持と向上に努めています。当検査室のデータについて、日本臨床衛生検査技師会より精度保証施設認定を受けています。
参加外部精度管理
- 日本医師会精度管理
- 日本臨床衛生検査技師会精度管理
- 広島県医師会精度管理
- その他 メーカー主催精度管理